要 望 書(案)
現在、愛川町当局においては、半原小学校敷地内にある旧愛川町郷土資料館の取り扱いについて、検討中とのことですが、町民の中には、旧半原小学校の校舎であったこの建物を、今後とも貴重な文化財として保存することを、希望する意見が多くあります。
今後の検討委員会において、拙速に廃棄処分するということでなく、文化財として保存活用する方策も、十分時間をかけ検討していただくよう要望します。
旧半原小学校の校舎は、大正14年の建造で、一部とはいえ、現存する木造校舎としては、神奈川県下で最も古い建造物であり、大正期の学校建築おいての実例としては、他にない貴重な建物になっています。
建築に携わったのは、江戸時代以来、大工職人集団として著名な、江戸城の改修などにもかかわった半原大工であり、その技術の記念物として、町にとっても貴重な建物であり、愛川町以外の一般の人達にとっても、意義深い文化財です。
現存する建物は、隅合掌(すみがっしょう)など特別な技術の跡があるなど、木造建築の技術的な標本としても有意義であることが、専門家によっても指摘されています。
かつて、昭和54年に、郷土資料館として、この半原小学校の木造校舎を活用したのは、やはり、郷土資料館設立の目的に合致した、建物保存の意義がありました。
新しい郷土資料館の建造に伴い、役目を終えた旧校舎の建物は、その昭和54年の段階での文化財保護の趣旨を生かし、保存の可能性を残して、十分な時間をかけ、今後の方針をご検討していただくようお願い申し上げます。
これは、文化財保護行政の責任を負う、愛川町当局にとっても無視できない重大な事案であり、善処を期待します。
平成25年 月
半原小学校旧木造校舎を保存する会(仮称)
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