12月27日(木)
飯山・古民家解体もいよいよ佳境に入りました

12月27日(木)作業風景フォトアルバム


 (現場リポート)

 いよいよクレーン車が入りました。

 120年前の古民家の梁はすべて柱の頭のほぞが上まで貫通しています。さらにその柱頭を割り楔上に加工し抜けないよう楔で締め付けています。
 前日、熊谷棟梁が事前に楔を抜いておいた梁は、さほどの労苦なく抜くことができました。
 が、南面のせがい(出し桁)出窓部分のつくりは、差し口が抜けないようにこれでもかというくらい込み栓だらけ。中には穴が対面まで貫通しない一方通行の打ち込み栓ががっしり締まって、熟練大工さんたちも四苦八苦。かなり年内工程予定時間に食い込んできています。

 しかし、ドリルのない時代、ケヤキ等の堅木に細い穴をかくも多数貫通させる労力の方も大変なもの・・・

 また丸いうねった梁同士の木組み、また梁丸太断面型に正確にくりぬきさらに長いほぞを伸ばした柱の頭が現れて林立する様は、まさに百数十年前に確かに生きた工人たちがまるでその場に座り込んでノミとツチを振るっている幻影を感じる程です。

 効率化された部材・工法でそんな手間をかけなくても、という現代、しかし、現に生きているばかりでなく、強じんそのもののこの木組みの芸術に注ぎ込まれた時間と技術を、まさに「文化遺産」と呼ばずなんと呼ぶか。 このさきただ「上棟」前に戻っただけの部材の行く先はまだ雲の中ですが、この一体の構成物が、ただ「灰になったかもしれない」と思うだけで、なんという愚かな現代かと感じざるを得なくなります。
 感じない人はともかく、いや、この場に立って、目の当たりに今を見れば、誰でもが必ず何かに打たれるものが存在しています。
 ただ「見ない」という、「機会を持たない」人がただ多いというだけだろうという問題がまざまざと見えてきます。
 見ざる・聞か猿・言わ猿の世界では、失うものは決してこの古民家だけではなくなるはずです・・・

 まだ遅くありません。

 

 

どんな人が参加しているの?

 12月27(木) 
天候:晴/曇り 作業/ 2階梁・せがい、1階北下屋解体理
参加者 (順不同・作業者名簿写しWEB公開OK部分
 氏名  住所  所属・職業・アイデンティティ等
 門谷 隆康  厚木市旭町  (株)住建設計 建築家 
 熊谷 貞仁  厚木市戸田  棟梁
 藤井 修二  厚木市鳶尾  造園・土木
 神保 祥二  新宿区中落合  大工 (民家再生保存研究会)
 飯田 耕介  横浜市栄区  鴨原工務店 大工
 鳥居 弘  愛川町半原  古物商
 永井 真知雄  横浜市泉区  建築文化研究所 (文化財保存技術協会)
 大木 正美  愛川町中津   設計&生活者 (NPO)木の建築フォラム
 大木 悦子  愛川町中津  設計事務所 古民家再生降幡塾
 小寺 裕美  川崎市麻生区  インテリアコーディネーター コスモスモア契約会員
 永井 幸  川崎市宮前区  設計
 小野寺 春雄  厚木市妻田東  小沼重機 クレーンオペレーター
 後藤 政雄  平塚市四之宮  大工職 (秋田出身)
 脇  慎一  埼玉県朝霧市  学生
※南雲さん  厚木市下古沢  ※お茶の差し入れをいただきました
一覧中 黒字は解体が始まってから現場作業複数回継続参加 青字は新参加の方です
   

年内日程予定(27日終了時現在)

12月28日(金) 壁落とし、1階・下屋造作とりはずし細部解体・部材整理保守/細部番付プレート付け
12月29日(土) レッカー車、プロ職人による1階梁・柱軸組み取りはずし・整理保守
きのう
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