古民家再生塾 第7期
『古民家の建築文化を現代の住まいに活かす』

■主旨

 古民家の再生に関心をもつ実務者が日常的に直面しているのは、より良い木の住まいをつくり、また新たな木の住まいのあり方を提案するという責任感であり倫理観であると思われます。第7期では、伝統構法に造詣が深く、しかもそれを現代の建築に活かす現場と密接に関わっている建築家や識者を招き、塾長・降幡廣信氏とともに討論し、再生という建築形態を特別扱いするのでなく、新築と連なる一続きの木造文化として再考してみたいと思います。

■日程

第1回 8月7日(土) 午後1:30〜5:30

 「民家型構法に見る家づくり」
 加来照彦氏(現代計画研究所)+ 降幡廣信氏

 土着的な伝統構法である古民家を参照して唱えられた新しい木造の家づくりのシステムである「民家型構法」の担い手として活躍されている加来氏を招き、古民家とは異なる通し柱と差し鴨居による構法などの技術論から、適正な国産材調達の難しさを念頭においた生産・供給論まで、幅広く問題を提起していただきます。
 

第2回 9月25日(土) 午後1:30〜5:30

「古民家再生と町並み保存活動」
 後藤治氏(工学院大学助教授)+ 降幡廣信氏

 文化庁で歴史的建築物の保存に関する行政に携わった後、現在、大学で地域のN.P.O.と協力しながら歴史的建築物の保存修復に取り組んでいる後藤氏を招き、町並みのなかで古民家の保存や伝統構法による家づくりを進めていくときの課題や留意点等をお話しいただき、古民家と地域社会との関係について再考したいと思います。
 

第3回 10月23日(土) 午後1:30?5:30

「伝統構法に学ぶ素材を活かした家づくり」
 深谷基弘氏(日本大学芸術学部教授・「棟梁に学ぶ家」代表)+降幡廣信氏

 「棟梁に学ぶ家」の活動を通じて、伝統構法をつぶさに記録してきた深谷氏を招き、枕木の再生に挑んだ「生闘学舎」や、土壁の可能性に挑んだ「ゲストハウス」など、現代の工業生産システムのアンチテーゼとなるような強烈な事例にも触れていただきながら、素材と技を一体化させたこれからの家づくりの手法を模索します。
 

第4回 11月20日(土) 午後1:30?5:30

「まちづくりと民家再生」
 三井所清典氏(芝浦工業大学教授・アルセッド建築研究所)+降幡廣信氏

 地域に根ざした住まいづくり・まちづくりに一貫して取り組んできた三井所氏を招き、やきものの町・佐賀県有田市の町家の事例と、合掌造りで有名な富山県五箇屋山地方の新しい克雪民家集落の事例を中心にお話いただき、「古」民家だけでなく「現代」民家をきちんと造っていくということについて、ともに考えたいと思います。
 

■会場
 和敬塾(東京都文京区目白台1-21-2)

*上記の講習の他に、降幡塾長とともに再生事例見学を計画しています(費用別途、詳細は後日通知)。

募集の詳細は申込書をご覧下さい。(word形式です。)