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    みなの思い出の橋 残った 愛川町


    大正期から地域の景観にとけ込んできた平山橋。いまは補修中で見られない=01年9月撮影
      大正期からそのままの姿で利用されてきた愛川町田代地区の中津川にかかる平山橋が、架け替えに伴う取り壊しを免れて、残されることになった。「なじみの景観を失いたくない」という住民の思いに、県厚木土木事務所が配慮した。新設される橋の隣で、歩行者専用の橋として「第二の人生」を始める。

      県厚木土木事務所によると、橋は全長112メートル。宮ケ瀬ダム下流の山あいに位置し、古い橋ながら幹線道路の県道相模原愛川線上にあるため、1日平均約7千台が行き来していた。

      1月に60メートル下流に新しい「平山大橋」が完成。車はそちらを通すことにし、旧橋は秋に人道橋として再スタートするための補修作業が続けられている。

      旧橋について、管理してきた土木事務所も詳しい建設の経緯をつかんでいない。銘板などから、全体の3分の1が大正2(1913)年、残りが大正15(1926)年の完成とされる。

      上部を覆う多数の鉄骨で全体重量を支えるトラス橋と呼ばれるもので、土木学会が01年に刊行した「日本の近代土木遺産」でも取り上げられた。

      10年前に土木事務所が新橋の建設を計画した時には、取り壊す予定だった。地元住民の間には「何とか残してほしい」との声が根強かった。

      田代区(自治会)の区長で、生まれた時からこの土地に暮らす大矢尭(たかし)さん(73)は「この辺の子どもはみんな、橋の下の河原で遊んだ。昭和30年代まで周囲は森で、橋の景色が地域にとけ込んでいた」と懐かしむ。

      終戦直前には米軍機の機銃掃射に遭い、今も弾痕が残る。大洪水にも壊れることなく、生き延びてきた。

      01年の区総会で存続要望が決議され、県や町と話し合いを続けた。その結果、県側は新橋の予算を縮小して華美な装飾をやめ、浮いた予算を旧橋保存の補修費にあてることを決めた。橋は町が引き取ることになった。

      大矢さんは「みんなの思い出の橋が残った。県が価値を認めてくれてうれしい」と話している。

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