道を間違えて、偶然、本当に久しぶりに前の道を通った。
この１０年・・・
意地でも近づきたくない現場であったのだ。

私たちの監理にも従わない欠陥・不良だらけの工事施工者の放逐を進言して、残工事にも尽力奔走を尽くした苦労を、結果クライアントから建て替え金も含む多大な不払い行為で報いられたのだ。

すべての支払いを求めて決定的な決裂・回収行為に訴える機会もあったが、親は憎くても、1年余付きっきり育て上げた我が子のような「アーキテクチュア」に永遠の別れを告げることができなかった。（この後、その未収が響いて経営危機さえ招いた。大甘であった・・・）

ただ、久しぶりにわが子に会って、いい歳の取り方をしているナ・・・　と単純に、思わずうれしくなった。

（過去の対価を貰わぬ限り、一切のケアにも意地で立ち入られぬ、悲しいわが子だが・・・）
確執の親どもがはるか昔に消えたころにも、微塵だに傾きもしない、時代の「古民家」として生き続けていける資質は十二分にも注ぎ込んであるのだ。

長生きしろよ、
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