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県内最古の旧半原小校舎 存廃めぐり主張交錯/愛川町

カナロコ by 神奈川新聞 9月18日(水)8時0分配信

県内最古の旧半原小校舎 存廃めぐり主張交錯/愛川町

存廃が議論されている旧半原小校舎。右奥は現校舎=愛川町半原

 県内の校舎では最古の旧半原小学校(愛川町半原)の校舎存廃をめぐり、愛川町が頭を悩ませている。老朽化が目立ち現在は利用されていないが、文化財として保存を求める声と、経費節減の面からの取り壊しを主張する声が交錯している。

 同校校舎は木造平屋。江戸中期に発展、地元に伝わる「半原宮大工」の棟梁(とうりょう)である矢内稲尾の手によるもので、1925年に完成した。翌年から鉄筋校舎が建てられる77年度まで、校舎として使われた。

 新校舎建設で取り壊される予定だったが、地元の保存要望で4分の1(4教室分)ほどに縮小、玄関部分を取り付け79年度から町郷土資料館として使用された。2009年度に県立あいかわ公園内に新しい町郷土資料館がオープンしたのに伴い閉館した。

 以降は使われず、そのまま半原小の敷地内にあった。老朽化などから存廃について議論が始まったが、混迷している。

 町は11年に庁内に検討委員会を設置。「取り壊し」を第1案に、「一部移築」も盛り込む結論を出した。続いて12年には建築専門家や文化財保護委員、公募町民らで構成する検討委員会が開かれたが意見百出し、これも「取り壊し」と「一部移築」を両論併記する結論となった。

 最後は町議会にげたが預けられ、昨年12月に特別委員会を設置。現在も全議員による議論が行われている。

 3回目となる8月の特別委では、「予算面で考えるべきでない。文化財としてどうあるべきかだ。都内には学校教育施設として残した例がある」「老朽化して危険。一刻も早く対策を取るべき。取り壊して写真として残しては」など存廃それぞれの意見が出た。

 町教委は「保存には耐震、耐火など改修が必要だが、移築・保存しても学校から使用要望はない。ほかに金をかけるべきだ」と話す。一方、半原宮大工の系譜 につながり、研究家でもある鈴木光雄さん(75)=愛川町半原=は「ぜひ残してもらいたい。全体が難しければ1教室ぐらいにして、歴史的なものを学べる場 にしては」と提案する。

 特別委は12月に結論を出す予定で、その内容を参考に町長が判断を下す。山田登美夫町長は引退を表明しており、10月の町長選で誕生する新町長は就任早々、決断を迫られることになる。

最終更新:9月18日(水)8時0分

カナロコ by 神奈川新聞

 
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