ンターネット、ことさらホームページの普及とは、つまるところ、「日本語」を書く人々が増えているということを示している
★いつまでも忘れたくない――
常識として知っておきたい――
覚えておきたい美しい――
よく使うのに間違っている――
酒の席でつい披露したくなる――
懐かしい――
声に出して読みたい――
使ってはいけない――
……

――の部分は、日本語が入ります。

「日本語練習帳」(大野晋)のブームから何年経ったのか、「声に出して読みたい日本語」(斉藤孝)にはじまる日本語ブームはとどま るところを知らないようだ。「文章読本さん江」(斎藤美奈子)とか「一億三千万人のための小説教室」(高橋源一郎)など文学畑でも、賑やかな「日本語入 門」が繰り広げられている。

この方面の出版物は、「連綿とした」というか「滔ゝ(とうとう)たる」というか、長い長い歴史があり、現在が何次ブームなのか知ら ないが、何度も何度もブームになり、廃(すた)れたかと思うとまた爆発するという繰り返しをみせ、これは今後も続いていくのであろう。「日本語」「文章の 書き方」「漢字」「諺(ことわざ)」……から言語学方面まで含めると、まさに広大な本の世界が広がっている。→「沢んちょの文章読本資料編・日本語に関する本・一覧表」

インターネット、ことさらホームページの普及とは、つまるところ、「日本語」を書く人々が増えているということを示している、と当 ホームページを運営していて感じるところがあった。ホームページが誰にでも簡単に開設できるから、書くことへの関心が高まっているのである。「文字離れ」 「活字離れ」というけれど、インタネットや携帯メールの普及は、若年層から高年齢層までのより広範な日本語のわかる人々に書くことを促している。「1億総 編集者の時代」がきたのだな、と。

というわけだから、日本語ブームはブームに終らず、ずっと続くことであろう。ベストセラーを狙うあまたのプロ編集者が、日夜、企画・編集に奔走している姿が目に見えるようだ。

というわけだから、夥しく出版される「日本語」本の中から「いいもの」を見る目、「いいもの」を選ぶ目、「いいもの」を読み取る目――が要求されてくる。「いいもの」だけが残っていく、熾烈な競争がはじまっているのである。

(S)